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風情溢れる藁葺き屋根の湯野上温泉駅…ここを入り口として広がる湯野上温泉郷は、昔、湯ノ原村といいました。ここには、大川に沿って上の湯・猿湯・館湯・切湯・箱湯・新湯など、いくつもの温泉の源泉地があります。
中でも有名なのは、大川の西岸にある「猿湯」…その名のおこりには、こんな話があります。
昔、年老いたボス猿が戦いに敗れて、この湯に逃げ込み、孤独に傷を癒していました。もはや、敗軍のボスを見舞ってくれる者は、一匹もいません。そこへ、一人の老婆が通りかかり、ボス猿を見かけました。老婆は、ボス猿に握り飯を与えました。ボス猿は、何度も何度も手を合わせて、その握り飯を有難く押しいただいたといいます。それ以後、老婆は毎日、ボス猿に食べ物を運んでやりました。おかげでボス猿の傷は完全に治り、さらに若返った様子で意気揚々と山へ帰っていきました。
…それから、幾月か経った頃、老婆の家に、ボス猿が現われました。しかも、50匹あまりの猿を引き連れ、たくさんの宝石を持ってお礼にきたのです。老婆は、ボス猿との再会を喜び、家でご馳走した後、別れを惜しみつつも笑顔で山に帰るボス猿を見送りました。それ以来、この湯は「猿湯」と名付けられ、不老長寿、回生の名湯として、人々に広く親しまれているのです。
あなたも、湯野上温泉郷で健やかに安らぐ幸福にひたり、若返ってみてはいかがでしょう?

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